事業承継で特に個人経営の場合に問題となる許認可の継続問題。今回、支援した美容業の事例紹介をします。90代となった母親が、昭和の時代に創業した美容室です。
高齢となったため数年前に一線を退き、実質的な経営は60代の娘さんが切り盛りしていました。店舗の老朽化が進んできたため、店舗の改修を計画。実質経営者の娘さんが金融機関に設備資金の申込みをしました。
ところが税務申告者は母親であるため、融資の申込者と税務申告者が違うということで融資が暗礁に乗り上げてしまいました。
そこで、急遽、名義変更の手続きを進めていきました。
美容業の生前時の承継には、①理・美容所開設届 ②施設内の平面図 ③建物の施設の位置図 ④施設の附近見取り図⑤全員分の理・美容師の免許証 ⑥理・美容師が2人以上いる場合は管理・美容師の講習会終了証 ⑦従業員が結核でない旨を証明する書類 ⑧開設手数料(1万6千円) ⑨施設の確認検査 ― といった書類と費用を準備する必要がありました。
相続であれば、①理・美容所相続承継届 ②戸籍謄本 ③相続人全員の同意書 と少ない書類で承継ができます。
生前で引き継ぐか相続を待って引継ぐかは、それぞれ事業所の事情や後継者のやる気等の状況に応じて対応することになると思いますが、いずれにしてもいざとなって慌てないように、承継に向けて早いうちから準備して計画的に事業承継を進めていくことが大切であることを感じた事例でした。
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